長野県伊那市のお菓子屋「菓匠Shimizu」から始まった「Dream Cake Project (ドリームケーキプロジェクト)」が注目されている。これは、子どもが考える「夢」について家族で語ってもらい、絵にしたものをパティシエがケーキに再現し、プレゼントするというものだ。7年前から菓匠Shimizuのパティシエ、清水慎一さんが始めた。2010年末にはNPOを立ち上げ、現在は山形から長崎まで約30店の菓子店が「夢ケーキ」を作っている。




清水さんは、「近年、親が子どもを殺すなど、家族間の悲惨な事件が起きています。元々、お菓子を通じて一人でも多くの子に夢を届け、家族団らんの時間を持ってほしいと思っていました。しかし、近所でそのような事件が起こったことがきっかけで『ケーキを食べながら家族で夢を語る時間を持っていれば、このような事件は起こらなかったのでは』と感じ、夢ケーキの仕組みを考えました」とその想いを熱く語る。




これまでに作られた夢ケーキは3000個以上。家族を招いてパティシエと一緒に夢ケーキを作ると、子どもはもちろんだが、大人の方が熱中する場面がよく見られるという。夢ケーキを依頼する場合は、最寄のDream Cake Project会員店舗に問い合わせてほしいとのこと。店舗で作ってもらえたり、イベントとして行われたり、形式も様々だ。







夢ケーキは家族の団らんにつながるだけではなく、ケーキを作る若いパティシエのモチベーションアップにもつながっている。清水さんは「この活動を通じて、店も客も地域も良くなっていってほしい」と語る。今後は、国内だけでなく、海外でも展開していきたいという。これからの広がりに期待したい。(オルタナS特派員 猪鹿倉陽子)



Dream Cake Project