アメリカ合衆国の心理学者アブラハイム・マズローが人間の欲求について発表した理論「マズローの欲求段階説」には第6段階が存在することを想定していたことが明らかにされた。

日経MJより抜粋 2011年5月30日


マズローの欲求段階説は一般的には、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・自我欲求・自己実現欲求の5段階から成るものとして認知されていた。しかし、この度、マズローは自己実現欲求のもう一つ上の欲求に「コミュニティ発展欲求」が来て、最後はエシカルで利他的な欲求に到ると想定していたと言われ始めた。

コミュニティ発展欲求とは、「自身が所属するコミュニティ(例えば市町村や国、宗教、地球)がより高次にまで発展して欲しい」という欲求である。
特徴的なのは、第1段階から第5段階までは利己の欲求であるのに、第6段階は利他の欲求が来るということである。

実際、去年の東日本大震災で利他、共生、シェアというキーワードが若い世代を中心に浮上してきた。エシカル消費と呼ばれる消費活動も起こり始めている。マズローは提唱したが未発表のまま生涯を終えてしまったため、なぜ公式に発表しなかったのかは明らかにされていない。

しかし、日本の到るところでエシカル消費は確実に起きている。徐々にではあるが第6段階欲求にたどり着いた人が表れ始めた証拠である。(オルタナS副編集長=池田真隆)