障がい者にとって住みにくい家は、その家族にとっても暮らしにくい。しかし、健常者は不便さに容易に気づけず、障がい者はガマンして暮らしていることが少なくない。

車椅子の高さに手すりを設置し、自力でトイレを利用できるように広めのスペースに改築した例


そこで、一般社団法人からふる(埼玉県川口市)は、障がい者とその家族が安心かつ快適に住めるリフォームを提案する事業「からふるリフォーム工房」を今年1月から始めた。

同法人は身体・知的・発達などに障がいのある子どもたちの将来の仕事を生み出すことを目指し、2007年から当事者家族と一緒に活動を続けてきた。その中で子どもそれぞれの障がいの質や程度をふまえ、家族も介護や家事が軽減できるリフォームの事例を蓄積してきた。

同法人のリフォーム事業担当・萩原禎子さんは言う。

「発達障がいの場合、騒音や声だしで近所迷惑が気になったり、水まわりでは流しっぱなしなど、そのつど口頭で注意していてストレスを抱えるだけ。それでも工事などで他人が家に入ることに気兼ねしていたり、車椅子利用者にとって不便な生活動線のままでいる場合もあります。そのようになかなか改善に動けない方々のハードルを少しでも下げたいと考えました」

同法人では、埼玉県を中心に東京都の一部のエリアを対象に、内装・外装・水まわりなどを含めたリフォームを提案。ニーズや予算に合わせて設備の取付工事や施工請負、小規模工事には出張して助言を行うDIY ヘルプサービスまで対応している。(今一生)



からふるリフォーム工房
http://color-fuls.com/reform/