世界中のバイヤーが現地で発見したファッションアイテムを販売するwaja(ワジャ)というサービスが注目を集めている。今回は、「世界と日本を繋ぐ架け橋」という経営理念のもと、サービスを展開しているwajaの小安光司社長に話を聞いた。(聞き手・オルタナS特派員=内藤聡)
もともと旅が好きで、学生の時代のみならず社会に出てからも、よく旅をしていました。これまでに約70カ国を旅しました。旅の途中で様々な文化や人々に触れるのが好きで、その感覚を伝えるために現地の品物をお土産として友人に買うことが多かったのです。
このような、海外で見つけたものを日本に伝えたいという気持ちから、このサービスを思い付きました。自分一人ではなく、たくさんの人が使えるようなプラットフォームを構築することを目的にしました。そこで、2003年に会社を立ち上げ、世界各国のバイヤーが商品を出品するマーケットプレイスとして、通販サイトwajaを始めました。
――wajaは、ブランドではなく、バイヤーの顔が見えるという点が印象的です。現在どのような人がバイヤーとして商品を提供しているのですか。
駐在員の奥さんや留学中の学生など、海外に滞在している人がほとんどですね。旅をしながら商品を見つけて提供してくれる人が、もっと増えれば良いなと思います。現在は約3000人のバイヤーが約60カ国にいます。
――現在ファッションアイテムの数はどのくらいあるのでしょうか。
売られている商品は海外ブランドで、一点ものが多いです。現在では約5500ブランドが存在し、在庫数でいうと約4万点がwajaで提供されています。売上高の伸びとしては、過去4期を振り返ると約50倍の規模に成長、お客様数、バイヤー数も順調に増加してきました。
――今でこそ、多くの商品を取り扱っていますが、設立当初はどのようにして商品を集めていたのでしょうか。
海外で個人が買い付けて販売するという新しいビジネスのスタイルを広め、その実現性をアピールするために、自らがバイヤー第1号として1年間に及ぶ世界一周の旅に出かけました。当時を綴ったブログがこちらです。
『キャプテンコージの世界一周旅日記』 http://www.waja.co.jp/corporate/essay/index.html
――チャリティーのタグが貼っている商品があるようですが、これはどのような仕組みなのでしょうか。
東日本大震災をきっかけに、バイヤーによるチャリティー機能をリリースしました。チャリティーマークのついている商品が売れた際、商品価格の1%を出品バイヤーが寄付します。現在の寄付先は「福島県」で、チャリティーへの参加は、バイヤー個人の意思により決定できます。
震災以降、これまでに日本赤十字社や日本ユニセフ協会に、合計3回総額3,889,866円の寄付を行ってきました。福島県へとなる第4回目の寄付も、近日とりまとめ寄付を行う予定です。
――最後にwajaが目指す今後の展望を教えてください。
ECの中で最近業績を伸ばしているのが、楽天やAmazonであり、ファッションでいえばZOZOTOWNでしょう。
これらのECサイトが必然的にマス化していく一方、バイヤーが現地で見つけたものを販売するバイヤーセレクトなど、ニッチマーケットのニーズは必ず存在するはずです。自社の強みである、超小ロット商品を取り扱うことができるプラットフォーム上に、ニッチ商品を中心としたマーケットプレイスをたくさん作ることで、全体として大きなマーケットを作っていけると考えています。そして、wajaを日本と世界を繋ぐ架け橋にしていきたいです。
海外ファッション通販サイトwaja http://www.waja.co.jp/