ケニアの女の子たちに布ナプキンを送るというプロジェクトが始動している。主導するのは、大阪で活動するミュージシャン、shiho(本名・宗野志帆)さん(31)。昨年訪れたケニアで、生理用品がないために学校に行けない女の子たちのことを知り、再利用できる布ナプキンを作って送るプロジェクトを始めた。現在はこの活動資金をクラウドファンディングで集めている。(オルタナS関西支局特派員=立藤 慶子)

Shihoさんと交流のあるケニアの女子学生たち

大阪出身のshihoさんは、関西でロックバンドのシンガーとして活動。2011年に音楽を学ぶためにニューヨークへ渡航した。海外生活が日本を見直すきっかけとなり、帰国後は児童養護施設での音楽ボランティアなどに携わるようになった。

2013年3月からは、「音楽を通して世界を幸せに」をモットーに、「Music Activist shiho」としての活動を本格化。ニューヨークのレーベルよりチャリティーシングル「beautiful world」をリリースすると、その売り上げを、東日本大震災で大きな被害を受けた陸前高田市立高田小学校や日本こども支援協会へ寄付した。

2014年に世界を周る旅へ。カンボジアの孤児院で歌を教え、ヨルダンではシリア難民と交流した。ケニアには、大阪で知り合ったケニア人実業家を頼り、訪問。そこで少年院を訪れ、貧しくて鉛筆も買えないために軽犯罪を犯してしまう子どもたちの存在を知り、2015年には「ケニア鉛筆プロジェクト」を発足。2000本の鉛筆や消しゴムなどの文房具を届けた。

昨年、再び訪れたケニアで、日本のように十分な教育が受けられない、また生理用品がないために生理中は学校に行けない女の子たちに出会った。ボロ布や葉っぱ、新聞紙などで代用するが、不衛生だ。

「機会だけは平等であって欲しい」。身近にある材料で作れ、再利用できる布ナプキンを作って送る「watoto furaha x mamas project」を始めた。スワヒリ語でwatotoは「子ども」、furahaは「幸せ」、mamasは「お母さん」。これからお母さんになる子ども達に未来の可能性を広げてもらいたいという願いを込めた。

まずは350人分の布ナプキン700個を目標に、日本各地でワークショップを行い、想いに共感する人と布ナプキンを制作する。Shihoさんらが現地に届け、布ナプキンとふんどしパンツの作り方を、現地の女の子たちにも教える。

その費用集めのため、6月19日には、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて募集がスタートした。Shihoさんは、「学校が無償化になり、初等教育を受けられる子どもは増えたが、休まず行くこと、卒業することは女の子にとって難しい。クラウドファンディングで多くの支援者が関わることで、現地の女の子たちに自分の可能性を信じてもらえたら」と話している。

Music Activist Shiho
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