*こちらの記事は2012年3月27日に掲載されました。

2012年6月にブラジル・リオデジャネイロで開かれる国連の持続可能な開発会議(地球サミット)に向けた関西初のシンポジウムが24日、京都市南区の京都テルサであった。市民や政治家、企業人ら約100人が参加し、国内外の動向について意見を交わした。

NYからの中継もあった会場

地球温暖化や生物多様性の国際条約が成立するきっかけとなった1992年の地球サミットから20年。再びリオが会場となることから「リオ+20」と呼ばれる今回の会議に対して「3・11」を経験した日本の声をまとめるのが狙い。

主催団体の一つ「地球サミット2012Japan」代表で京都大学の佐藤正弘准教授は関連の国連交渉が行われているニューヨークから中継で参加し、「今回の焦点は『グリーンエコノミー』。各国は『グリーン』自体に異論はないが『エコノミー』のあり方で立場が分かれている。例えば水問題で、水は世界の共有財産かグローバル市場に任せるべきかといった議論が続いている」などと解説した。

トークセッションで民主党の福山哲郎・参院外交防衛委員長は「20年前に途上国だった中国がいまやアメリカと並ぶ二酸化炭素排出国となり、京都議定書からも離脱している。途上国、新興国といっても一枚岩でない時代に変わっている中で、日本がこれまで公害を克服した経験などで世界にどう貢献できるか。それがまさにグリーン経済だ」などと主張。

NPO法人地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事の早川光俊弁護士は「エネルギー問題について日本は市民が意志決定してこなかったところで原発事故が起きた。今回の会議は3日間(6月20-22日)しかなく、何か具体的な政策が決まるとは思えないが、脱原発を含めた議論のきっかけとして私たちがどう生かしていくかに感心がある」などと語った。

参加者が地球環境について対話する「アースダイアログ」の場も設けられた。各地で行われているアースダイアログで集められた声は「Japan VOICE」としてリオ+20で国際社会に発信される予定。(オルタナ編集委員=関口威人)