日比谷線の神谷町駅近くのマンションのワンルームに、相場の半額程度に安い料金のネイルアートの店がある。アルーシャ(東京・港)が運営する同店には母国で暮らせず日本へ難民として入国した女性たちが働いている。

相場の半額でおしゃれなネイルができあがる


同社の代表取締役・岩瀬香奈子さんが、2年前の2010年5月に開いた店だ。

彼女は2009年11月にNPO法人難民支援自立ネットワーク(REN)の理事と出会い、日本に来た難民たちが日本語の壁や職業技術の不足から経済的に自立できないでいる深刻な状況を初めて知った。

RENでは、当時から難民と日本人支援者が一緒にビーズ織りのアクセサリーを作って販売。難民や難民認定申請者に制作料を支払うと同時に、収益をケニアのカクマ難民キャンプの難民が自ら発信するニュスレター「カネブ」の支援や、難民への奨学金に使い、難民の自助努力を応援していた。

そこで、岩瀬さんがもっと需要の大きいネイルサロンのビジネスを提案したところ、「岩瀬さんが難民に教えてあげてほしい」と言われた。当時、岩瀬さんは会社を退職し、独立してコンサルタント業務を請け負っていた。

そこで、彼女自身がまずネイルスクールに通い、知識と技術を身につけた後、無料のネイル研修を受けたい難民を募った。毎日5時間、3週間の研修に休みなく参加できることを応募条件としたが、ビルマ(ミャンマー)、タイ、アンゴラ、コンゴ、カメルーン、イランなどからの難民が集まった。平日でも時間があることは、それだけ日本で仕事に就くのが困難な難民が少なからずいる証だ。

「現在、店ではフルタイムで2人、パートで3人が働いています。次は銀座にも店を出したい」と岩瀬さん。

お客が増えれば、その分だけ雇える難民も増える。おしゃれなネイルをするだけで、より多くの難民の自立を実現できるのだ。

同店のネイルの施術は予約制で、営業時間は午前11時から午後9時まで(TEL: 03-3431-5830)。(今一生

アルーシャの公式サイト
http://www.arusha.co.jp/index.html



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