東日本大震災で被害を受けた地域に図書館を設立してコミュニティの再生を目指す「みんなのとしょかん」プロジェクトが震災から一年が過ぎた現在までに10棟の仮設図書館を誕生させた。
設立された場所は、石巻市や大船渡市、東松島市らである。今後は岩手県陸前高田市や福島県南相馬市などにも設立していく予定である。大きい図書館で4000冊、小さい図書館でも1000冊の本が寄付されてある。
当プロジェクトを運営している一般社団法人みんなのとしょかん代表理事の川端秀明さん(38)は去年の5月以降毎週被災地へ足を運んでいる。「仮設住宅に入ってしまうと、コミュニティが断絶されてしまう。家はつながっているのに、隣に住んでいる人の顔を知らないという現状がある。図書館を設立してコミュニティを再生させたいと思った」と活動のきっかけを話す。
図書館設立の際には、現地の人からのニーズを吸い取ることを欠かさない。「読みたくない本を寄付することを避ける為に、現地の人の要望を聞いてから図書館も本も寄付するようにしている」と話す。
現地の人からは「本をきっかけに生き甲斐を見つけられた」や「本で読んだ知識を生かして、新しいことをするきっかけになった」という声が聞かれている。(オルタナS副編集長=池田真隆)
・「みんなのとしょかん」プロジェクト