「あおぞらガーデン」は、ルミネ立川店の30周年記念イベントです。2012年6月~10月の4カ月間に月1回ずつ、合計9日間開催されました。

ルミネ立川店の屋上庭園コトリエには、本棚やカフェ、マルシェなどが出現し来場者を迎えました。そのひとつひとつが、地元・多摩エリアの企業やアーティストとのコラボレーション企画。

中央の本棚「希望の樹 BOOK PROJECT」は、不要になった古本を持ち寄り、来場者が自由に読むことができます。寄付された本を古本回収業者に買い取ってもらい、その売上は若者の自立・就労支援活動のNPOに役立てられました。

ブックカフェでは地元のキーパーソンが選んだ本を読むことができます。中央線沿線で展開するマルシェや、地元クリエイターらによるワークショップも賑わいを見せました。

このイベントの仕掛人であるルミネ立川店の大槻俊二さんは、「駅の真上という場所で営業している私たちが、まちに対して出来る役割について改めて考え直してみました」と言います。「ルミネが持っている強みは、20~30代の方々の集客力。単なるまちおこしイベントではなく、ルミネらしいデザイン性を生かしたコンテンツを凝縮しました」

「洋服も好きだけど、このまちも好き」。これからは、ショッピングセンターもそれぞれのまちのカラーが求められるのかもしれません。「一度開催して満足するのではなく、継続してくことが大切だと思っています」と大槻さん。「イベント以外にも手段はたくさんあるので、等身大の方法で試行錯誤していきたいですね」

企業のCSRが注目される昨今、それ自体が目的になってしまっていないでしょうか。自分たちが持っている資源を、少し視点を変えて見つめ直してみてください。当たり前だと思っていたことも、強みとして生かせる場所が実はたくさんあるのかもしれません。それが、ソーシャルグッドを継続していくために必要なことではないでしょうか。(オルタナS編集部員=佐谷圭)

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