アジアン・エスプレッソが世界進出、コーヒー大国ベトナムから
コーヒーといえば、世界シェア40%を占めるブラジルが名産地として知られているが、ベトナムも負けてはいない。2000年にコーヒー豆の生産量がコロンビアを上回り2位に浮上、現在世界シェア15%を誇る(2010年、国際コーヒー機関発表 )。そんななか、60カ国に輸出するベトナム最大手のコーヒーメーカー「チュングエン」は、ベトナムコーヒーのイメージアップを図っている。
ベトナムコーヒーの特徴は「濃さ」と「甘さ」。スプーン3杯のコーヒー豆を100㏄の
お湯でじっくり抽出し、練乳を加えて飲むのがベトナム流だ。コーヒーの濃さはエス
プレッソに近いが、コーヒー豆自体にチョコレートを思わせる甘い香りがあるので
飲みやすい。
コーヒーは、毎日世界中で700億ドル以上の売り上げがあり、25億杯が消費されている。その半数はEUと米国が占める。
チュングエンはまず、ベトナムエアライン全線で同社のコーヒーを提供し、認知度向上
を目指す。さらに英国のコストコなど、大型スーパーへの拡販も強化する。
2011年にはコーヒー祭りをベトナム南部で行い、500人の国際大使と国内外の専門家を招いて、ベトナムコーヒーの魅力をアピールした。
同社は今後15年で200億ドルの売り上げと5~6万人の雇用創出を目標に掲げている。
約70年間フランスの植民地となっていたベトナムは、カフェ文化が根付いており、
店舗型から即席路上店など、街中にカフェが溢れている。
アジアン・エスプレッソとして、世界に定着できるだろうか。
(オルタナSベトナム支局特派員=中川真弓)