札幌市の北海道大学内で22日、「第二回・Sapporo Youth Conference for 3.11(SYC)」が開催された。参加した11の学生団体が改めて震災復興について考えた。

当日の参加者の集合写真


午前と午後の2部構成で行われた。午前はゲストの講演に加え、実際にボランティア活動をする学生とゲストの方とのクロストーク。被災地と札幌とのギャップ、学業や受験、就活とのバランスの中で活動を継続させる悩みなどを会場と共に共有した。

「こちらから学生を送り出す時は、『ただ作業をするのではなく、現地で何を求めているのかをよく聞くこと。これが一番重要』という事を伝えている。」と、酪農学園大学のボランティア団体、酪ネットの中村かれんさん(21)は壇上で語った。

午後は、復興支援に向けてこれからできる事を一緒に考えようというワークショップ。社会人も交えて活発に意見交換が行われ、被災地に向けて、様々なアイデアを出し合い発表した。

今回のイベントで特徴的だったのは告知、運営、簡単な打合せ、スケジュール調整に、フェイスブックが活用されたことだ。担当者がリレー式で更新するブログやフェイスブックページでこまめに情報発信を行うことで、ミーティングに参加できない学生も関わりやすくするように試みた。

「今回は連絡のやり取りも殆どメーリングリストは使わなかった。これだけのイベントをフェイスブックで利用したのは初めてだったが、多くの方が興味を持ってくれた」広報担当の阿部望美さん(23)は語った。

SNSの活用により、彼女自身はバイト先の一見無関心な仲間からも、問合せがあったそうだ。さらに当日はユーストリームでの配信も行い、来場できない学生の為にも情報発信を行った。

企業からの協賛も敢えて求めなかったのも特徴だ。今後、活動を継続していくために、自分たちが自分たちでどのくらいできるのか把握しようというのがこの大きな理由で、支援するボランティア学生たちも自分たちの活動の自立方法を模索する。

「私自身は来年就職してしまいます。同じように受験を控えている高校生もいるし、この後の活動をどのように継続させていくかが大きな課題の一つ。イベントの後も今後の学生団体の連携のあり方を継続して考えていく」と、発起人の夏目知子さん(24)は気を引き締める。

「繋がり」「コミュニケーション」という言葉が、頻繁に飛び交っていたこのイベント。今回は100名を超える参加者と11団体が一堂に集った。イベント終了後もフェイスブックページではメッセージが寄せられている。イベント運営に限らず、震災復興ボランティアのように地域をまたいで様々な立場の人々が速やかに情報交換を行うことが可能な場として、SNSの果たす役割は大きい。(オルタナ北海道支局長=横山光紀)


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