アメリカにおける動物愛護の歴史を綴った『Animal People』の試写会がカリフォルニア州マリブにて行われた。

作者はフィルムメーカー、ゲリー・カスケルさんである。カスケルさんは2003年から2007年までニューヨーク州にある動物愛護団体United Action for Animalsの理事を勤めていたもある。

フィルムメーカーのゲリー・カスケルさん


第二次世界大戦前まで、アメリカニューヨーク州で業務用馬の管理から始まったASPCA(The American Society for the Prevention of Cruelty Animals) は今日アメリカ合衆国にて一番大きな動物愛護協会に発展した。業務用の馬の水の管理、排泄物、健康管理などを主に遂行し、馬専用の救急車をこの頃に開発した。今日のアメリカの救急車は馬専用のものからアイディアを得た為、オリジナルの形からあまり変わっていないということだ。

映画の中では、アメリカの有名なトークショウホスト、オペラウインフリーさんが狂牛病のリポートをした際に、牛肉協会からウインフリーさんへのブラックメールが送りつけられた騒ぎや、PETA(People for Ethical Treatment for Animals)の理事、イングリット、ニューカークさんのインタビュー、動物を使った末期がん患者のセラピー、アメリカにおける食用動物の管理のずさんさや、あるメーカーのドックフードには、施設で始末された犬や猫などが混じっている事実などを伝える。

又、違法でペットとして輸入され、飼いきれなくなり捨てられたライオンや、タイガーなどを保護する団体の施設維持の難しさなど、アメリカの動物に関わる歴史を広くわたって説明している。

日本にはまだ、動物の権限を主張する法律が少ないのが現状だ。しかし9/11の後、アメリカでは、動物愛護を訴えるとテロリストとしてのレッテルを張られる事が多くなった事も映画の中では指摘している。

カスケルさんは、ただ動物愛護と叫んでいくのではなく、経済を発展させる為に沢山の動物が歴史の中で活躍し命を落としたことや、もう一度動物を食べることについて深く考えてみること、そして人間と動物の共存の意味を確かめる為に、歴史を知る事が重要だと考えていると語った。動物愛護の未来をカスケルさんは、『次の世代の人たちが動物の命の大切さをもっと考えてもらえればと思う』と語った。

アメリカでは、月に200トンの飼いきれなくなったペットたちが始末される。カスケルさんは、動物が苦しまないで生きていける地球にする為に小さなステップを踏んでいくことで、動物の生きる権利を守っていければと思うと言う。

Animal People はVimeoにて無料で見ることが出来る。(オルタナSロサンゼルス特派員=森本洋子)

Vimeo.com/8821530
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