築100年の古民家と聞いたら、何を想像するだろうか?

長く伸びた軒先、大の字になって寝転がりたくなる畳張りの広間、囲炉裏によっていぶされ黒光りした大黒柱。想像するだけで、日本人の感性がかきたてられる。

古民家は、手入れをすれば300年はゆうに維持できる。日本建築の知恵が集約された、まさしくサステナブルな住宅だ。それだけでも十分素晴らしいが、さらに現代のハイテク技術がてんこ盛りに搭載された古民家が岐阜県郡上市明宝にある。

これは岐阜県が掲げている次世代エネルギーインフラの「中山間地モデル」の一環だ。古民家の敷地内には太陽光発電はもちろん、プロパンガスを化学反応させて電気を生み出す燃料電池や、地域の水の流れを利用した小水力発電まで付いている。

こうして24時間発電し続けている電気は全て蓄電池に溜められ、5~6人家族で必要な電力は全てまかなえる。室内には薪ストーブも完備されており、薪は隣の山の間伐材を使用している。電気をつくるだけでなく電気を減らす工夫もされているというわけだ。

このなんとも夢のようなプロジェクトのポイントは「太陽光発電」「燃料電池」「蓄電池」の新エネ三種の神器だ。

岐阜県では2020年までにこの「三種の神器」を設置した住宅を65000世帯まで増やすという目標を掲げ、今回のプロジェクトはそのスタートにあたる。

なんとも持続可能で良い自給自足なんでしょうか!
将来は縁側で昼寝をしているうちに、家の電気が蓄電されるのが当たり前になるかもしれません。(オルタナS特派員 殿塚建吾)