トヨタ自動車グループのマーケティング会社であるデルフィスの社内プロジェクトチーム、「デルフィス エシカル・プロジェクト」から、最新のエシカル実態調査の結果を寄稿してもらった。




エシカル実態調査は日本初


私たちデルフィス エシカル・プロジェクトが実施した「第3回エシカル実態調査」について前・後編の2回にわけて紹介します。

本プロジェクトでは、エシカルを解説した入門書「まだ“エシカル”を知らないあなたへ」を今年の3月に上梓しましたが、こちらで紹介しているのは昨年の6月に実施したもの。一年が経ちどのような変化があったのでしょうか?最新のエシカル事情をいち早くお伝えします。

それでは、まず「エシカル」の言葉の認知から見ていきましょう。「エシカル」という言葉を知っている人は、全体の13%。昨年の第2回の時点では11%だったので、微増といったところでしょうか。



このサイトを日頃ご覧になっている皆さんはもちろんご存知の言葉でしょうが、世の中的にはまだまだ知らない人が多いのが現状です。年代別では男性では10-20代が最も高く19%。女性では60代以上が19%で最も高く、次いで40代が18%と続きます。

ちなみに、今回の調査では「プロボノ」「クラウド・ファンディング」「アップサイクル」の認知も聞きましたが、それぞれ、12%、18%、10%という結果でした。

続いて、「エシカル」への興味度と実践度を見てみましょう。

半数以上の人が「エシカル」という考えに興味があると回答しています。そして、「エシカル」を実践している人は24%。「エシカル」という名前を知らなくても、実践している人がいるんですね。



一方で、興味はあるけど、実践していない人が30%近くいると推測されます。この「興味はあるけど実践していない人」が今後どれだけアクションを起こせるかが、エシカルの浸透には不可欠といえるでしょう。

また、実践している人の中身にも変化が見られます。「フェアトレード商品を購入する」「企業や団体の活動にボランティアで参加している」「エシカルな取り組みを行うNPO/NGO等に参画している」といったアクションの実践率が過去最高値を獲得。



エシカル・コンシューマーとして社会に貢献するだけでなく、エシカル・シティズンとして直接的に社会を支援する人が少しずつ増えてきているようです。 (後編につづく


【第3回エシカル実態調査】
調査時期 2012年7月
対象地域 全国
対象者  15歳以上の男女 1100人
調査方法 Web調査