9月17日の「敬老の日」に、日頃の感謝の気持ちを入浴木を通して伝える企画が開催される。「100のありがとう風呂 敬老の日2012」である。

お風呂には、感謝の気持ちが書かれた99枚の入浴木が浮かぶ


同企画では、世界遺産熊野古道に生える尾鷲ひのきの間伐材を使った、入浴木(直径9センチ、厚さ3センチ)に感謝の気持ちを書き、それを99枚お風呂に浮かべる。100枚に1枚足りないのは、最後の1枚分の感謝の気持ちは、入浴木を使わずに、直接伝えてほしいという想いからきている。

同企画は、3年前から、敬老の日だけでなく、父の日や母の日にも開催されてきた。今年は、全国34都道府県の142カ所の温浴施設、介護施設、スポーツジムなどで開催され、計2万枚の入浴木がお風呂に浮かぶ予定である。

実際に100のありがとう風呂に入ったお客さんの中には、感動して涙を流してくださる方もいるという。普段は体を温めるお風呂で、感動のメッセージを読むことにより、体だけでなく、心も温まることができるのである。

感謝の言葉は、参加者それぞれに書いてもらう。


主催しているのは、三重県尾鷲市の温泉施設「夢古道おわせ」である。3年前に企画した背景には、「家族の絆」があるという。年金の不正受給や児童虐待などの悲しいニュースを見て、お風呂屋だからこそできる温かい企画はできないかと考えたという。

また、当時、「間伐材が売れなくて困っている」という相談も持ちかけられていたので、この企画で販売を促進しようとも考えていた。これまで、計300を超す温泉施設に広がり、昨年の敬老の日は、全国の温浴施設99件で同時開催された。

同施設でインターンしている竹ノ谷智香さん(早稲田大学政治経済学部2年)は、「私たちは100のありがとう風呂を通じて、『人と人との絆をつなぐこと』、『日本の森を考えること』、『温浴業界から日本を元気にすること』。この3つを柱に、日本中に元気と感動を届けたい、と思っています」と話す。(オルタナS副編集長=池田真隆)


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