福島県相馬郡新地町の小中学校4校(福田小学校、新地小学校、駒ケ嶺小学校、尚英中学校)で9月9日、太陽光発電の設置が完了した。3000万円を上限とする設置費用を「コカ・コーラ 復興支援基金」が負担した。

設置された太陽光発電と新地小学校の児童 


同日、完了を記念して、新地町立新地小学校で、竣工セレモニーが実施された。セレモニーでは、新地町の加藤憲郎町長や日本コカ・コーラのダニエル・H・セイヤー代表取締役社長らが出席した。

今回の4校への助成は、太陽光発電の設置による防災機能強化と、生徒へのクリーンエネルギーに関する教育推進を目的とした応募を受けて、助成が決定された。

本件で「コカ・コーラ 復興支援基金」が負担するのは、3000万円(税込)を上限とした、防災対応機能を備えた太陽光発電(上限20kW)と、蓄電池(16kWh相当)である。

新地町は昨年、内閣府所管の「環境未来都市」に選定された。町全体で、「スマートシティ化」を目指し、クリーンエネルギーの創出に取り組む。また、同町では、学校それぞれが環境教育を行い、太陽光発電を題材に、各学校と町が調査・成果発表で連携し、町全体として環境・エネルギー学習を推進していく。

新地小学校では太陽光発電・風力発電を中心に学び、町内唯一の中学校であり、総務省「フューチャースクール」推進事業採択校でもある尚英中学校では、太陽光発電に加え、原子力発電についても学習する予定である。

セレモニーでは、尚英中学校生徒会会長の名取達也さんが生徒代表としてスピーチを行い、「災害時に停電が起こっても、学校では電気が使えると聞いて、安心しています。これからの 地元の復興のために力を尽くせる人になれるようになりたい」と話した。

新地町の加藤町長(右)から仙台コカ・コーラボトリング社鈴木恭代表取締役社長への感謝状贈呈


加藤憲郎町長は、「太陽光発電は、停電時に役立つとともに、将来を担う子どもたちにCO2を輩出しないクリーンエネルギー教材としても活用できる。学校に入るとすぐに発電状況が確認できるので、自ずとエネルギーに関する知識がつくので、環境意識の高揚にも期待している」と話した。

「コカ・コーラ 復興支援基金」では、平成23年9月1日から平成26年3月31日にわたり、3期に分けて総計50校への太陽光発電設置の助成を決定している。現在、9月30日までの期間で、岩手県、宮城県、福島県の公立小中学校を対象に、助成対象校15校の募集を行っている。応募方法は、公式サイトから行っている。(オルタナS副編集長=池田真隆)


公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団