お歳暮には、復興支援にもなるエシカルな品物を送りたいという方に、おすすめのお米がある。岩手県陸前高田市から生まれた新ブランド米「たかたのゆめ」だ。同市は津波で壊滅的な被害にあい、基幹産業であった農業も大きなダメージを受けた。そのような状況下、なんとか農業の復興のシンボルにという思いで、この取り組みが始まった。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
同米は、復興支援をきっかけに購入する人が多くいるという。しかし、東日本大震災から3年が過ぎ、継続して購入してもらうためには、「支援になるから」という動機だけではいけない。同米を販売する山田屋本店(東京・調布)の秋沢淳雄社長は「味がカギを握る」と断言する。
粘りが強く味も濃いもっちり系が主流のなか、たかたのゆめは味も粘りもあっさりしていて、ごはんが進む。秋沢社長は、「対こしひかりでも、対魚沼でもない。新しい市場を開拓する存在になるかもしれない」と期待を込める。
こしひかり系統とは、一線を画すあっさりとした味が、お米離れが進んでいる若者たちに広がれば、お米の市場を拡大することにつながる。山田屋本店は、創業110年を超える老舗企業だ。これまで多くのお米を食べてきた秋沢社長に、たかたのゆめに合う、とっておきのおかずを伺った。しかし、明太子でも、納豆でも、焼き魚でもなく、秋沢社長は、「まず白いお米の美味しさを味わってほしい」と答えた。
本業を通じた被災地支援として同米の販売やPRを支援する伊藤忠グループは、現地の方の思いを表現した同米のPR動画も作成した。販売を担当している伊藤忠食糧の近藤秀衛社長は、「コメの一大産地である東北地区の復興支援のため、本プロジェクトには今後も積極的に携わっていき、改革が叫ばれている日本の農業を、元気な産業に変えていくお手伝いが少しでもできれば」と意気込む。
輸入品のコーヒーやチョコレートを選ぶ基準として、エシカルな商品が選ばれてきているが、国内の米を買うときも味はもちろん、新たな物差しを取り入れる時代がくるかもしれない。
味も間違いなく美味しく、かつ、食べることで被災地の農業を応援できる。被災地から届く新米の味、今年のお歳暮に如何だろうか。
たかたのゆめは2キロ1500円(税込)、オンラインショップでは5キロ2550円(税込)で販売。購入可能店舗は、お米館調布本店、銀座三越「米屋彦太郎」、新宿高島屋「米蔵山田屋」、町田小田急「米屋彦太郎」。そのうち、お米館調布本店と銀座三越、町田小田急では、1キロから購入できる量り売りをしている。
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