津波の被害をうけた写真を、ボランティアがデジタル化し閲覧できるようにするプロジェクトが、拡大する要望に応えるため今後の運営を見据えて様々な支援を求めている。プロジェクトの名前は「写真みつかるプロジェクト」。

写真は一枚一枚丁寧に洗浄されデジタル保存される


エンジニア・デザイナー・カメラの専門家・プロモーションの専門家等が集まり、写真を洗浄しながら、劣化していく写真を何とかしたいと依頼を受けて始まった。およそ80万枚ものデジタル化された被災者の写真が今年の7月から石巻市の各施設で閲覧できるようになった。

今後は他の自治体にもサービスを拡大していく予定だが、バージョンアップ、増えるデータへのサーバー対策、年配者対象の大きな画面のPCの寄贈、現地へのスタッフ派遣など課題は多い。

「これまではエンジニアのボランティアや自己資金の投入で運営してきたが、要望が高くなってきて自分たちの活動だけでは限界が見えてきた」と語るのはプロジェクトの代表を務める小金明雄さん(39歳)。

自らもユニークなIT関連サービス企業を運営しているアイデアマンではあるが、急速に拡大する要望にはさすがにユニークなアイディアと仲間だけでは対応しきれないようだ。その為、多くの企業への呼びかけを決意した。

今回の「写真みつかるプロジェクト」では、金銭の寄付も募っているが、具体的な作業でも支援が可能だ。被災した写真を見て、タグ付(キーワード)をつける作業は、被災地から遠く離れた土地でも可能で企業に実作業の呼びかけも始めた。

写真は個人情報を多く含むため、タグ付けを支援するボランティアの団体にも一定の制限があるが、遠方から実作業で被災地と関わることのできる形式はIT技術ならではの支援活動で、IT分野の専門家からの評価も高い。

「日本全国からのサポートをお願いしたい。これからも『写真みつかるプロジェクト』は、どんどん意見を取り入れながら改善していく。いつでもアイディアがあればシステムで実現する」そう小金さんは語っている。(オルタナ北海道支局長=横山光紀)


・写真みつかるプロジェクトホームページ
http://www.shashin-mitsukaru.jp/
・写真みつかるプロジェクトフェイスブックページ
http://www.facebook.com/shashinmitsukaru
・石巻写真公開プロジェクト 案内ページ
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/bousai/syasinnkoukaipro.jsp
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