神奈川県鎌倉市で、1985年から野外での自主保育を続けている「青空自主保育なかよし会」。谷戸(やと)と呼ばれる里山を拠点に、四季を通じて薄着・はだしで野山や海で1歳から3歳までの子どもたちを遊ばせている保育グループだ。

映画のワンシーン ©記録社


特定の園舎は持たず、保育者と数人の母や父が保育当番に入る。だが、「口はチャック、手は後ろ」が基本ルールで、わが子が汚れてもケンカしても見守りに徹する。

子どもたちは、親が耕した畑の野菜を収穫し、泥んこになって生きものや自然とふれあい、思い切り遊びながら三年間を自然の中で過ごす。

オムツもとれていない1歳児たちが、野山に自生する木の実に手を伸ばす。そしてそれを他の人と分かち合う。誰が教えたわけでもないのに、子どもたちは自分で答えを見出していく。

このような子ども自身の自発性を重視した「自主保育」を始めるべく「なかよし会」を創設したのは、鎌倉中央公園で保全活動をするNPO法人山崎・谷戸の会理事長でもある相川明子さん。

彼女と親子たちの3年間の試みを記録したのが、映画『さぁのはらへいこう 青空自主保育の三年間』(監督・脚本・編集:桐野直子)だ。

2011年2月に地元・鎌倉で完成記念上映会が開催されて以後、全国で続々と上映されてきたが、現在も上映会のオファーに応じている。お問い合わせは、同映画の公式サイトから。(今一生


●映画『さぁのはらへいこう 青空自主保育の三年間