異分野の専門家が社会を論じ合う「NRI未来創発フォーラム2012」が12日、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開かれた。野村総研が主催し、今年で10回目。「新しい可能性への挑戦」をテーマに創造的な経済や教育のあり方について議論が交わされた。

名古屋で開催された「NRI未来創発フォーラム2012」

グラフィックデザイナーの原研哉さんは「真価の時代 美意識がつくる未来」と題して講演。「空っぽの何もない中にすべてがあるという価値を見出した」神社の造りなどを引き合いに、日本独自の価値を再び創造するべきだと説いた。

パネルディスカッションでは経済学者の佐々木雅幸さん、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんらが登壇。佐々木さんは「先進国は大量生産の工業経済から創造性を発揮する創造経済に移行している。日本も今のシステムを少しずつ変えていく『創造性革命』が必要だ」と提言。駒崎さんは「少子高齢化は否定的にみられるが、むしろチャンスにとらえたい。日本が先駆けて少子高齢化の解決策をつくり出せば、世界に貢献することができる」と訴えた。

29日には東京国際フォーラムを会場に、工業デザイナーの奥山清行さんらが講演する。(オルタナ編集委員=関口威人)