伊藤忠青山アートスクエアでこのほど、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、スポーツとアートを掛け合わせた展覧会が開かれている。会場では、1964年の東京オリンピック以降の日本選手団のユニフォームや新国立競技場の模型、使い古したスポーツ用具からなるアート作品などが展示されている。夏休みに親子連れで楽しめる展覧会となっている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

会場には、大会ごとのデザイン性に注目するため、日本選手団や大会スタッフのユニフォームなどが飾られている。手前は東京オリンピック(1964年)の日本代表選手用の赤いブレザー

同展覧会の名称は、「秩父宮記念スポーツ博物館【青山巡回展】~甦れ!オリンピックの感動を再び~」。主催団体は、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)と特定非営利活動法人日本スポーツ芸術協会、公益財団法人日本オリンピック委員会。JSCが運営する、現在は国立競技場の建て替えに伴い休館中の「秩父宮記念スポーツ博物館」に眠る貴重な資料が、今年度は青山から全国を巡回する。

伊藤忠商事は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成と地域貢献の一環として、会場となる「伊藤忠青山アートスクエア」を提供した。同会場は、社会貢献型のギャラリーで、アート作品の展示を通して、次世代育成や地域活性化などを行ってきた。

今回の展覧会では、3つのテーマで作品を展示している。1つは「オリンピックのデザイン文化」。通常、オリンピックの展覧会といえば、過去の大会を時系列で紹介するものが多いが、今回はファッションや文化の発信地である東京・青山が会場のため、「デザイン」に着目した。

1964年の東京オリンピックの日本選手団が着て行進した赤いブレザーから始まり、森英恵氏がデザインしたバルセロナオリンピック(1992年)の白いユニフォーム、カラフルなデザインが話題を呼んだ高田賢三氏がデザインしたアテネオリンピック(2004年)のユニフォームなどが展示されている。

高田賢三氏デザインのアテネオリンピック(2004年)の選手用ユニフォーム。年代を追うごとに華やかさを増していく

1964年の東京オリンピックでは、一目で区別できるように選手、事務局、通訳とそれぞれ異なる32種類以上のユニフォームがデザインされた。

2つ目は、「スポーツの聖地 外苑:青山」と題したゾーンで、1960年代の青山通り周辺の写真と2017年現在の写真を対比できるように展示している。映像資料として、1964年当時の競技映像や大会の警備映像が流れている。

現在と1960年代の青山通りの写真を見比べられる

1964年の東京オリンピックの聖火ランナーが持ったトーチ。デザインしたのは工業デザイナーの故・柳宗理(やなぎ・そうり)氏。シンプルなデザインだが、持ち手が曲線になっており温もりを感じるデザインになっている

このゾーンでひと際大きな存在感を持つのは、新国立競技場の完成模型だ。将来の青山の街を俯瞰して見ることができる。完成模型が日本の展覧会で公開されるのは初めてのこと。7月末まで特別展示される。

新国立競技場の模型が展覧会で公開されるのは日本初となる

最後のゾーンは、「リボーン・アートボール」。リボーン・アートボールとは、廃棄されるボールをアート作品として甦らせたもの。日本画家で筑波大学の太田圭教授が考案した。

彩り豊かなリボーン・アートボール。競技で使われたボールで作られている

太田教授は、スポーツ芸術表現学を研究しており、アスリートの競い合いだけでなく、スポーツの芸術性を伝えている。会場には使い古されたサッカーボール、ラグビーボール、ピンポン球などを題材にしたアート作品が飾られている。

視覚障がい者向けに、メダルの形を触りながらデザインを理解できるブースもある。1928年のアムステルダムオリンピック以降、夏季競技大会のメダルのデザインは、ギリシャ神話の勝利の女神をモチーフにしていたが、最近では自由にデザインできるようになった。ブースでは、3Dプリンターで模られたメダルが置いてある。

触りながらメダルのデザインを知ることができる

スポーツ墨絵画家の故・斎 辰雄(とき・たつお)氏の作品も飾られている。斎氏は1928年のアムステルダムオリンピックに陸上選手として出場した経歴を持つ

この展覧会では、親子連れでも楽しめるように、会場に置かれた1964年東京オリンピックの表彰台レプリカには、実際に上がって記念撮影することができる。1964年の東京オリンピックのレプリカメダルも貸し出しているので、メダルを首にかけて撮れば夏休みの思い出の一枚になるだろう。

新国立競技場だけでなく、神宮球場や秩父宮ラグビー場などが揃うスポーツの街・青山。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、アートの力で盛り上げていく。

【秩父宮記念スポーツ博物館【青山巡回展】~甦れ!オリンピックの感動を再び~】
期間:8月31日(木)まで(11時~19時、会期中無休)
場所:伊藤忠青山アートスクエア(東京・港区)
入場料:無料

【リボーン・アートボール・ワークショップ 親子で作るアートボール】
筑波大学の太田圭教授の指導を受けながら、リボーン・アートボールを作成します。作った作品は記念品として持ち帰ることができます。
日時:7月29日(土)午前の回(10時~12時)、午後の回(14時~16時)
参加費:無料
定員:1回につき5組まで
対象:小学3年生~6年生と保護者(1名)
持ち物:タオル(汚れてもいいもの)、アイデアスケッチブック(任意)
*ボールと画材は主催者で用意しますので、お待ちいただく必要はございません。
*絵具を使ってボールに絵を描くので、汚れてもいい服装でお越しください。

申込方法:下記のアドレスに必要事項を記入してお申し込みください。
1)氏名(ふりがな)
2)学年
3)保護者の氏名(ふりがな)
4)当日の緊急連絡先
5)ご希望の回
アドレス:sports-museum@jpnsport.go.jp

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