1992年、リオ・デ・ジャネイロ地球環境サミットで伝説のスピーチを行った12歳の少女がいた。彼女の名前はセヴァン・スズキ。
「どうやってなおすかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」
このメッセージは20年経ってもなお、色あせない。
29歳になり、母親となったセヴァンが世界に伝えたいことは何なのか。
6月26日より、ジャン=ポール・ジョー監督、映画『セヴァンの地球のなおし方』が公開されている。公開に合わせて来日した監督を取材した。
――ジョー監督が、セヴァン・スズキさんを撮ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
セヴァン・スズキのスピーチを知ったのはわずか2年前のことでした。
セヴァンがスピーチをした12歳の時から今に至るまで、その後を追った監督は誰もいなかった。だからこそ今、この映画を撮ろうと思ったのです。
――『セヴァンの地球のなおし方』では福井県や福岡県の農家を取り上げていますね。 今回の来日で福島と祝島を訪問されましたが、どんな思いを抱いたのでしょうか。
福島では絶望を感じました。広島に原爆が落とされた時のような絶望です。人類になぜこんなひどいことができるのでしょうか。福島第一原子力発電所の問題にしても、日本は再生可能なエネルギーを持っているにも関わらず、人間を死に追いやろうとする産業を進めている。政治家が間違っているとしか言いようがありません。
――最後に、日本の若者へのメッセージをお願いします。
「地球は先祖から受け継いだものではない。子供からの借りものだ」ということわざがあります。若いあなたたちの手にこの地球の未来をゆだねます。しかし、地球は借りものです。あなたたちが次の世代にバトンを渡してください。私たちは科学や技術、様々なコミュニケーションツールなど、環境と人間が調和できる手段をいくつも持っています。今までの生活を見直し、生命が生き生きとしている地球をつくっていきましょう。