途上国を中心に世界各国には男尊女卑がまだ残る。南アジアでは、女の子の胎児は「稼ぎ手として期待できない」、「ダウリー(結婚持参金)が家計に負担になる」との理由で中絶の対象になりがちだ。病気になっても、治療してもらえないケースもあり、5歳まで生き延びることが男の子よりも厳しいとされる。

学齢期である10歳前後では、女の子は小学校に通わせてもらえずに水汲みや食事の支度などを任される。エチオピアでの15歳から24歳の女性の識字率は39%で、男性は62%である。

教育の機会を奪われた女性たちは、幼いうちから結婚・出産を強いられる。ニジェールでは、15から19歳で結婚している女性は62%だ(男性は6%)。幼い子の出産の場合、命を落とすこともある。また、人身売買業者に騙されてHIVに感染することもある。地域によっては女性器切除も行われる。

教育を受けさせてもらえないので、仕事につけない。仕事がないことで収入がない。収入がないことで発言権もなくなる。この負の連鎖の発端となる教育の機会を奪われている女の子は、6600万人にのぼる。



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