東日本大震災では、根が深い常緑広葉樹は津波で流されることなく家屋を守るクッションの役割を果たしました。この経験を生かし、震災で大量に発生したがれきを資源として東北海岸沿いに防波堤をつくる「森の防波堤」プロジェクトが進行しています。



宮脇昭氏(横浜国立大学名誉教授)が提案したこのプロジェクトは、毒性がなく生分解可能ながれき(廃木材やコンクリート)を砕き、土と混ぜてマウンド(土台)を作り、その上に木の苗を植えるというもの。15年~20年後には大きな森になり地中深くまで根がはるため、がれきのマウンドもしっかり固定されます。そのうえ、土中にはがれきによって適度な隙間ができるため根の呼吸を妨げません。


やがて森は持続可能な生態系になります。将来、津波が発生したとしても、森は津波のエネルギーを吸収して居住地の被害を弱める働きが期待できます。(オルタナS編集部員=川久保亜純)


参考サイト:GREAT FOREST WALL PROJECT


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