311の津波被害を受けても、1本だけ残った陸前高田市の奇跡の1本松の子孫が順調に育っている。2011年12月に、海水で根が腐っていると、「高田松原を守る会」が保護を断念。
ボランティアで住友林業筑波研究所が協力し、1本松の枝から松ぼっくりを採取し、育てていた。昨年5月の時点では、発芽した苗木は、全長5センチ以上に伸びた。
奇跡の1本松の子孫は、「チビ松」という愛称で親しまれている。住友林業筑波研究所の中村健太郎主席研究員(45)は、「最初の種子が発芽したときは、思わずうれしくてガッツポーズしてしまった」と話す。陸前高田に里帰りできるのか、毎日が不安との戦いだったという。
7万本の高田松原の中で、唯一残った親を持つチビ松の元気な姿を楽しみに待ちたい。(オルタナS副編集長=池田真隆)
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