前編の続き



——全商品の8割がフェアトレードで製造していますが、エシカルな経営をする際のメリットとデメリットはありますか。

福本:イギリスでアニータ・ロディックが1976年にザ・ボディショップを創業した時からエシカルトレードだったので、デメリットと感じたことはないです。弊社は、化粧品メーカーの事業の発展が目的ではなく、事業の目的が社会変革なので、環境意識がビジネスを妨げることはありません。

メリットは、アニータが37年前に始めたビジネスに世の中が近いうちに追いついてくるのではないかと感じています。ものすごい勢いで、社会も変わっています。社会貢献思考を持った若者たちの数も増え、その想いを発信するツールもありますので、企業はそういった声を無視できなくなるでしょう。

搾取労働で製造された服についたタグを説明する福本社長(*タグはパロディで作られた。早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンターで)


——フェアトレードなど、社会貢献活動を全面に出すことを遠慮しがちな風潮もありますが、御社はどう思いますか。

福本:誰かが声を大にして言わなければいけないものだと思っています。確かに、このような社会貢献活動は、秘することが美徳だという考えが日本にはあると思います。しかし、我々が声を上げることでいくつかの意味があります。

1つは、フェアトレードだと理解して購入して頂いている顧客への報告です。そして、2つ目は、事業のあり方を伝えることで、フェアトレード領域が加速することです。

ザ・ボディショップは全商品の8割がフェアトレードなので、今は自信を持って言えるくらいの環境にあると思います。単品単位ではなく、フェアトレードで成り立っている事業体として、世の中に発信していきたいですね。

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