——自然が豊かなのはいいことですよね。国をあげて積極的に環境問題に取り組んでいるところは、日本も見習うべきだと思います。ところで、日本とブルネイは資源面以外でも深い関わりがありますか。

山田:日本とブルネイは経済面において深い関係がありますが、日本におけるブルネイという国の知名度は決して高くありません。ブルネイにいても、日本人観光客を見かけることは非常にまれです。

ブルネイでも、特に若い世代には漫画やアニメといった日本発信のエンターテインメントの人気は高いです。一方で、最近はこれらも韓国の音楽やドラマの人気に押されているという現状もあります。

——日本のエンターテインメントが現地でも親しまれているのはうれしいですね。しかし、私は日本・ブルネイ両国の人的文化的交流は非常に少ないと感じています。ブルネイに行くという日本人観光客も、日本に来ているブルネイ人も見たことがありません。ブルネイの学生が留学先として選択するのはイギリスやオーストラリアなどが多く、日本への留学生はほとんどいないそうです。この状況受け、日本人・ブルネイ人が互いの国に対して関心を高め、両国の相互理解を深めるためにはどうすればいいでしょうか。

山田:関心を高めるためには、宣伝活動や交流など、できるだけ互いの国を知る機会を設けることが必要です。その活動の一環として今月、ブルネイ写真展を東京と大阪で開催します。

ブルネイの街や人々のありのままの姿を見てもらうことで、ブルネイへの関心が高まるのではないかと期待しています。そしてやはり実際に日本人・ブルネイ人が交流することが大切です。

少人数ではありますが、当協会でもブルネイ人学生の招聘プログラムを実施したり、日本人学生をブルネイへ派遣したりしています。

ブルネイの学生が留学先として選択するのは確かに英語圏が一般的ですが、日本の学生との交流の機会を増やし、日本に興味を持ってもらうことで日本への留学生が増えれば、将来のブルネイと日本の関係深化にも寄与してくれるものと思います。

こうして日本人とブルネイ人が交流するなかで、実際に互いの国の文化を経験し、その魅力を知り、互いに尊重することで、両国の相互理解は深まるでしょう。

◆◆◆◆
2月8日から14日まで富士フイルムフォトサロン東京(東京都港区)、2月22日から28日まで富士フイルムフォトサロン大阪(大阪市中央区)で、長年ブルネイを撮影、取材されている森山正信さんによる写真展「ブルネイ王国 VOL.2」が開催される。撮影許可を取るのが難しいモスクの中の写真や現地の人の生活を収めた写真がある。この機会に、写真を通してブルネイを垣間見てはどうだろうか。


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