フェアトレードや児童労働に関心のある大学生組織「1チョコfor1スマイル学生サポーターズ*」は、エシカルチョコレートの意義を伝えるイベント「1アクションfor1スマイル」をお台場で開催した。

会場動員数は2000人を超え、共感した来場者の応援メッセージが書かれたカカオ型カードが374枚集まった。学生が制作した「幸せのなるカカオの木」は2メートル50センチ以上に成長、大きな盛り上がりを見せた。

日本のチョコレートの7割以上は、ガーナ産カカオを使用している。そのカカオ栽培に幼い子どもの労働力が使われている現状があり、世界的な問題となっている。その児童労働の問題に違和感を持つ大学生が、「食べる人も作る人も幸せなエシカルチョコレートを、日本で当たり前にしたい」というコンセプトのもと開催した。

森永製菓は2008年から「カカオの国の子どもたち」がしっかりと学ぶことができるように、商品の売上の一部を使ってNGO団体に寄付するキャンペーン「1チョコfor1スマイル」を実施している。

2013年からは、児童労働がなくなった支援地域のカカオマスを80パーセント使用したチョコレートの生産・販売を開始している。寄付による慈善事業が従来の日本におけるCSRの主流となっているが、欧米など世界の潮流となっている「本業型CSR」に取り組む。

同イベントでは、展示・体験・クイズラリーを通して児童労働と、「1チョコfor1スマイルプロジェクト」の概要を解説した。共感した参加者がカカオの実型カードに応援メッセージを書き、学生制作の「幸せのなるカカオの樹」を育てた。

カカオの樹

イベント当日、約20キロのカカオを手で持つ体験をした小学生の森田義樹くん(10)は取材に対し、カカオ農園で働く子どもたちがこれを頭上に乗せて運ぶことを知り、驚いた表情で「重たくてこれを運ぶのは大変」と語った。

展示を通して児童労働の現実を知った加藤友香ちゃん(12)は「チョコレートが大好きなのでとても驚いた。世界中が幸せに平和になるよう願っています」と語った。クイズラリーに参加した本田寛さん(32)は「この取り組みがこれからも続いていってほしい」と語った。

1チョコfor1スマイル学生サポーターズ


同イベントの全体統括を行った榎本咲紀さんは、「バレンタイン直前という日本で一番チョコレートへの関心が高まる時期に、チョコレート生産者の方々や、1チョコfor1スマイルの取組について知っていただきたいと思います」と話す。(オルタナS特派員=磯田早紀)


*1チョコfor1スマイル学生サポーターズとは

森永製菓発の「日本で初めての支援地先のカカオを使用したチョコレート」を応援していく為に結成された学生3団体協働の応援チーム。フェアトレードの推進・啓発を目的とするフェアトレード学生ネットワーク(FTSN)、児童労働問題の解決に取り組むACE学生チームPeACE、カカオ生産国ガーナ訪問経験を持つ学生を中心としたバレンタイン一揆実行委員会に所属する大学生から構成される。


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