——来月、設立当初からの夢であった伊勢丹新宿本店に常設店を出すとのことですが、ここまで成長してきたきっかけは何だと思いますか。

白木:一言で、人の縁につきると思います。私一人ではできませんでした。従業員、顧客、株主など、みんなの応援を受けてここまで来ることができました。

——生産者や自然環境などにも配慮するエシカルビジネスを行う上で苦労したことはありますか。

白木:素材調達の際に、予定通りにものが来ないことについては試行錯誤の繰り返しです。特に、パキスタンなどではテロが頻繁に起きるので、その度に交通や通信システムが機能しなくなるのです。

——エシカルなジュエリーと紹介しても、当初は、営業先に相手にされず、起業に用意した資本金も数カ月で底をついてしまったそうですね。両親に泣いて土下座しながら、お金を出してもらうなど、ここまで多くの苦労を経験されてきたと思います。白木代表がそこまでしてエシカルジュエリーを続けたい思いはどこにあるのでしょうか。

白木:大学時代にインドの鉱山労働を見たことが一番大きかったですね。危険な場所で、素足のまま働いている子どもたちが忘れられず、26歳で起業するまで、ずっと何かしたいと思っていました。前職の金融の会社で働いているときでさえも、彼らの顔が浮かんできました。あの子たちのために世界を変えたいと決意し起業したので、それが原動力になっています。

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