写真は日本の食肉加工会社のグループ会社(アメリカ)で撮影されたものです。これは妊娠豚用檻(ストール)というもので、繁殖用の豚を管理しやすいように、日本の養豚業においても80%以上で使用されています。

ストールで飼育される豚 写真:全米人道協会(HSUS)

私たちが普段口にする豚肉の多くは、このようにメスの豚を、単独で、狭い檻の中に閉じ込めて飼育してつくられています。この檻の中で豚は他の豚と戯れることも、長々と横たわることも、方向転換をすることさえもできません。

豚にできることは目の前にある柵をかじり続けることくらいです。方向転換できないことで、糞は定位置に落ち、管理者には世話がしやすくなります。

豚たちはほとんどの時間を1㎡ほどのこの檻の中で過ごし、6~7回出産し3年ほどで殺されます。EUでは今年からこの妊娠豚用檻での飼育は禁止されています。アメリカでは9つの州でこの檻の使用を禁止する法案が可決されています。

畜産の問題は、妊娠豚用檻に限るものではなく、無麻酔での去勢、尾・歯・くちばしの切断、バタリーケージ、繋ぎ飼いなど根が深いです。生産と消費の現場が離れすぎており、私たちは畜産動物がどのように飼育されているかを知りません。

しかし、私たち消費者は、感受性のある生き物がどのように扱われているのかを知り「むごい飼育をされたものは買いたくない」という意思表示をしていかねばなりません。

動物自身には選択の余地がないからです。妊娠豚用檻の廃止を求める署名を集めています。賛同していただける方は、署名をどうぞよろしくお願いします。(寄稿・佐藤史子)

賛同した方はこちらへ⇒http://chn.ge/Z5CeP8