FAMのモノ作りの場合、デメリットをメリットに変えていく作り方だなと思っています。

デメリットがあってこそ面白いものが生まれるのです。いつも同じものが無い古着や廃材ならではの劣化や風合いに既製品とは違う面白さや出会いに触れる事ができ、感動します。

その時にしかない材料を組合せる事で生まれる商品は、その組合せの「偶然性」から、とても良い商品を生みます。

廃材や古着などの材料に自分のデザインが合わさり、更に生産時に加わる人の手を通して、私の想像以上に面白い商品となって商品が生まれてきます。

通常なら全体のデザインを行ってから必要な資材を揃え、生産に入ることが多いと思いますがFAMの物作りでは、ある材料の中からデザインを行っていきます。

資材を提供して下さる工場などから、「○○の廃材が出たよ」と連絡が入れば喜んで駆け付けます。

こうした動きも面倒臭いと思われるかもしれませんが、こうだから生まれる商品の面白さがあります。

ある物を使って、その限られた材料の中から商品を作っていく。欲しい材料が手に入らない時には、そのパーツも作ります。

こうした背景から商品を生産しているため、生産に時間がかかる事・思うように商品配給ができない事・材料などが不規則な事・一つの製品ができるまでに生産以外に材料や生産過程などにも気を配らなくてはいけない事・通常の生産過程に比べ時間や手間がかかる事などの問題はあります。

そして、こういった背景を持つブランドだから納期が遅れても大丈夫とか、製品ミスがあってもお客様に理解して貰えるなどという事はもちろんありません。

生産する全ての背景を大切に、ビジネスとして商品を回転させ、クオリティを上げていく。
FAMの試行錯誤はまだまだ続きます。

一つの商品ができ上がるまでに見れる生産者側のたくさんの「人」の笑顔とお客様の笑顔を見れるとき、この仕事のやりがいの深さに感動し最高だと思います。(寄稿・fashion re make FAM 藤永真理子)


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