アクセンチュアの社会貢献活動である「Skills to Succeed(スキルによる発展、以下:S2S)」では「次世代グローバル人材の育成」、「若者の就業力・起業力強化」、「人材ダイバーシティの促進」という3つの人材スキルに関するテーマを掲げている。今後はどう動くのか。アクセンチュア 製造・流通本部マネジング・ディレクターでコーポーレート・シチズンシップ全体統括の伊佐治光男さんに聞いた。(聞き手・オルタナS副編集長=池田真隆)

日本を変える社会貢献――アクセンチュア(1/5)
日本を変える社会貢献――アクセンチュア(2/5)
日本を変える社会貢献――アクセンチュア(3/5)

アクセンチュアの社会貢献を語る伊佐治さん


——全体統括という立場でやられていますが、今後の展望なども含めて意気込みを語ってください。

伊佐治:当社は高いパフォーマンスや事業変革の実現を支援するだけではなく、その結果や成果にコミットする企業です。ですから、社会貢献活動の領域においても確実な社会的インパクトを生み出したいと思います。

当社が掲げている3つのテーマはどれも、日本経済発展のために解決しなくてはならない課題だと思っています。やるからにはこうした課題の解決のために確実に貢献し、実績をあげたいと思います。そして、当社の手法やソリューションが社会的課題解決のために有効なものとして同じ課題に取り組む企業やNPO団体にも広がってくれればとも思っています。

最後に少し個人的な話しをさせてもらいますと、私が当社の企業市民活動に関わるようになったのは、小学生に関わる活動をやりたいと思ったことがきっかけです。まだプランは具体的ではありませんが、将来的にはいつか、考え方がまだ柔軟な子供たちの世代と接する仕事をしてみたいと思っています。

そう思うようになったきっかけは、ある些細な出来事でした。ある日の夕方、自宅の近くで小学生の男の子たちが、「また明日も遊ぼうね」と言って無邪気に別れていく様子を見たのです。

私はその子どもたちの「遊ぼうね」の言葉の中に、「明日が楽しみだね」というニュアンスを感じました。どこにでもある子どもたちのやり取りですが、そうした明るい未来を思い描けるような感覚は、ビジネスに没頭しながら年を重ねると、なかなか感じられないものです(笑)。

ふと出会った小学生を見ていて、この子たちは明日が楽しみだと感じることができる心を持っているんだな、と大変新鮮に思えたのです。「今日は楽しかった」とか「今が楽しい」というのでなく、「明日が楽しみ」と言えることのほうが重要だと思いました。

日本の人材のスキル向上を目指すアクセンチュアの活動を通じて、「多くの日本人が楽しい明日を想起できるような社会」を実現するために貢献したいと思います。また、このような社会貢献活動を通して、アクセンチュアの社員一人ひとりにも企業市民として成長していく機会を提供したいと感じています。