絵本の制作期間は約1年。卒業制作として取りかかった。全31ページで、津波で流された松の木が主人公の物語だ。流された松の木は、「町を守れなくて悲しい」と悔やむ。石巻に流木として流れ着くと、町の人の手で龍をイメージしたアート作品に生まれ変わり、念願だった町の守り神として生き続けるストーリーだ。

流れ着いた流木。地元住民の間では、龍の姿に似ていると噂になっていた

物語の題材となったのは、松田さんが石巻で開催したワークショップ「龍木プロジェクト」である。ワークショップでは、実際に流れてきた流木に、ペンキや色紙を使い、龍に変身させた。発見された流木は、龍に似ていると地元住民の間で噂になっていたという。

ワークショップでデザインした龍

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