田坂氏は、「政党の勝ち負けの選挙結果だけに注目するのではなく、その選挙の結果が出るまでに、民間がどういう議論を重ねて投票所に向かったのかが重要である」と話した。「議論の際、賛成か反対か二項対立の議論ではなく弁証法で多様な価値観で意見を交わし学ぶことが民主主義に必要な手段である」と主張した。

若者と政治をつなげる活動をする「ユースクリエイト」の原田謙介代表も出席した

伊勢谷氏は、自身が代表を務めるリバースプロジェクトで、フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアを利用し、政策提言などを行うクラウドガバメントラボを展開している。昨年の衆議院議員選挙について「ソーシャルメディア上の声と選挙結果が大きく違った」とし、「国政は一般市民にとって議論するには複雑だ」と話した。「まずは、身近にある地方行政に注目し、一人ひとりが地域の問題を自分の問題としてとらえて議論に慣れることが必要」と続けた。

質疑応答では、来場者から次々と質問が投げかけられた。「民間が政治に参加することで正しい社会が生まれるのか」という質問に対して、田坂氏は「『正しい』という状態は人々がそれぞれの立場にあることから一概に言う事はできない」とし、「むしろ悪い社会になったときに選んだ民間が責任を持ち、その失敗から学び成長していけるようになれる」と答えた。(オルタナ編集部=副島久仁彦)

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