*この文章は、今年3月に復興支援団体SETが主催した岩手県陸前高田市広田町への現地滞在プログラムに参加した肥後真梨子さんが綴ったものです。1週間をかけて広田町住民との交流や現状視察、漁業や農業支援などを行い、参加者自身が広田町で何ができるのか、考え抜きました。若者は復興地で何を感じたのでしょうか。

復興支援団体SET


このプログラムを通じて最も強く学んだ点は、「できるかできないかではなく、本当にやりたいことをどうやったらできるかを考える」ということです。

報告会で発表する肥後さん

「6日目にアクションプランを実行する」と言われても、初めは「自分たちにできること」」のイメージが持てず不安でした。

でも、序盤は探り探りだった話し合いも、いつしか全員が本気になり、自分たちだからできること、そして自分たちが本当にやりたいと思うことを、実行することができたのです。

この、「できた」という体験が、自分にとっては衝撃的でした。プログラム後は、何をするにあたっても、「できない」という発想が減り、自分の行動が変わりました。

なんとなく与えられたことをするのではなく、自分が変化を生み出したいと考えるようになり、目の前の小さなことからではありますが、実際に行動に移すことができるようになりました。

プログラムを通じて、自分の価値観、「らしさ」と向き合うことができ、今後、何を目指すかのヒントを得ることができました。同時に、他人の視点に立つこと、尊重し合うことの大切さも学びました。

チームで何かを成し遂げること、目の前にいる人たちのために行動を起こすことの喜びを感じ、この経験を生かして今後も何かを生み出したいとの想いを持つようになりました。

広田の方々、SETメンバー、参加者メンバーに、たくさんの勇気と刺激をもらいました。特別ではない、ごく普通の、でも「一歩踏み出す勇気を持った人」はとても素敵だと思ったし、自分もそうありたいと思っています。

今回の経験から、一日一日、一人ひとりを大切にしたいという想いがより強くなりました。こんな風に私の意識を変化させてくれたこのプログラム、そして、そこで出逢った人々に、心から感謝をしています。自分がこれを新たなスタートとし、今後進化し行動してゆくことで、その恩返しをしたいと思います。(寄稿・肥後真梨子)