創業15周年を迎える北海道エアシステム(以下HAC)は、札幌市内の丘珠空港から発着し、離島や地方都市と札幌を結ぶ地域コミュータ航空会社だ。

2009年より日本航空が事実上経営から撤退し、北海道が筆頭となり就航地自治体、道内財界が株主となった。今年7月には経営陣も刷新され、従業員一丸となって道民の翼として定着すべく取組みを行っている。従業員が主体的に取り組んでいる活動を聞いた。

野口久美さんは、ベテランのグランドスタッフでHACの広報リーダー的存在だ。彼女が作った紙粘土製のマスコットや手製のぬいぐるみは、乗客だけではなく自社のスタッフをも和ませている。

手作りのぬいぐるみをもつ安江さん(右)と野口さん(左)


さらに、AKB48をもじったOKD48(オカダマフォーティーエイト)というプロジェクトチームを、女性社員で立ち上げた。「会社に頼らず、私たちが自らできることがいっぱいあるのではないか?OKD48はそういう思いから始まったのです」と、野口さんは語る。

OKD48の活動を社内で情報共有できるように作成したノートがある。その中の一冊、心の癒しノートには、悪天候でやむなく欠航をした際に乗客からかけられたねぎらいの言葉や、グランドスタッフとの何気ない会話から名前が付いたペットのこと、毎日、飛行機を見に来ていた親子が転勤をすることではじまった手紙のやり取りなど、従業員がさらに乗客のために頑張ろうと思える記録が数多くつづられている。

OKD48の情報共有ノート さまざまなエピソードがつづられ共有される


7月から役員として就任した安江哲さん(60歳)は「まだ、役員として私の顔を知られていない頃、休憩所でベテラン整備士が若手整備士に、安全について真剣に語っていた様子を見て、『大丈夫だ。この会社は伸びる』と確信した」と、こう語った。

北海道内の経済状況も含めて明るい材料は多いとはいえないが、大好きな職場のために日々奮闘するHAC従業員の今後の努力に注目していきたい。HACでは15周年を記念してキャンペーンやイベントを随時企画し実施する予定だ。(オルタナS北海道支局長=横山 光紀)


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