――子ども虐待防止オレンジリボン運動の支援企業になった経緯は?

:水漏れの修理などで入居者の部屋に入ったとき、子どもが蹴られて飛んでいくなど、躾の限度を超えた場面を年に何回も目撃しました。

やめさせようとしても入居者から『あんたには関係ないやろ。さっさと水道直せ!』と言われ、話も聞いてくれませんでした。

そんな時に子ども虐待防止オレンジリボン運動を知り、支援企業になりました。これが2年前のことです。

私たちの主な活動としては、社用車に運動を啓発するためのオレンジリボンマークを設置したり、年に2回ほどのティッシュ配りやこの運動を教えて頂いたオレンジリボン運動支援企業の映像制作会社社長である島田妙子さんの幸せについての講演会をサポートしたりしています。

島田さんはかつて虐待を受けて親から二度殺されかけた経験があり、話を聞いて幸せについて考えることで、少しでも意識を変えていってほしいです。

――虐待の場面に遭遇したら?

:オレンジリボンバッジを見せて、『このままでは支援企業として通報せざるをえなくなる、親子が離れて暮らすことになればあなたも子どもも不幸ではないですか?』と説得すると、ちゃんと話を聞いてくれるようになりました。

話を聞きながら虐待の背景を探っていくと、さびしいという共通の思いがありました。隣近所はおろか家族でさえ口を利く機会が少ないと、さびしさが虐待という形で子どもに向かってしまいます。

管理会社の私が話を聞くだけでもすっきりしたと言って頂けるのですから、近所の人や家族にはもっと母親の話を聞いてあげてほしいです。私たちも入居の際にはあいさつを推進するなど相談できる地域づくりに向けて努力しています。

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