――20代の死因原因のトップは自殺です。若者のうつ予備軍も多く、居場所が見つからないとの声をよく聞きます。やりたいことが見つからない人にとって、ボランティアや社会貢献が自分探しのヒントになるのではないでしょうか。

香山:やりたいことが見つからず、周りに必要とされていないと感じ、消えてしまいたいと思うことが多いです。社会貢献は他者のためにすることなので、直接的に存在意義を高められますね。

――世代別に見ても、若者の社会貢献思考は高まっています。逆に言えば、自分の存在意義を感じられなくなっている若者が多いということでしょうか。

香山:「お金」や「安定」と同じように、「誰かのために」という思いを強く求めているのではないでしょうか。誰かに必要とされることが自分自身を守って高めてくれると気付いている人が多いです。

東日本大震災の影響もあり、自分だけ良ければ満足という生き方ではなく、分かち合って生きていきたいと思う傾向が見られます。

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