今回のお題は「お勧めのエシカル商品」。私がご紹介するのは我が家の「猫たち」です。生後間もなく動物愛護センターに持ち込まれ、殺処分されるところを幸運にも救い出されたハク。とある街中で側溝に落ち瀕死の状態だったところを善意の方に拾われたクロ。
この2匹と出会ったのは、ハクを救い出した動物愛護団体が主催する里親譲渡会場でした。空前のペットブームといわれる昨今ですが、その裏で大量の犬猫が殺処分されている現実をご存じですか?
平成の初めには年間100万頭の犬猫たちが処分されていましたが、多くの動物愛護団体や市民の方々の長年の運動の甲斐あって、殺処分数は年々減少傾向にあります。
それでも、平成23年には約19万頭もの犬猫たちが、ガス室に集められ、炭酸ガスを注入され、窒息し苦しみながら死んでいきました。
この主な原因として、①無責任な飼い主による飼育放棄、②安易な繁殖、が挙げられますが、背景にあるのは、かわいさや愛くるしさだけを強調し、ペットをファッションのごとく扱って消費者の購買意欲を掻き立てるマスコミと、それに便乗するペットショップの存在です。
動物を消費財として扱うペット産業の裏では、過剰な繁殖を強いられてぼろぼろにされる母犬母猫たち、母親の愛情を知ることなく生後間もなく親から引き離され売りに出される子犬子猫たち、ペットショップで売れ残り、業者の手で保健所に持ち込まれて殺処分される犬猫たちが後を絶ちません。
店頭で生体を販売するペットショップの形態に、いま、疑問の声が上がってきています。これから動物を飼おうと思っているなら、ペットショップで「商品」を購入するのではなく、消えゆく「命」を家族として迎えてみませんか?動物愛護センターや動物愛護団体の譲渡会で、エシカルな出会いがあなたを待っています!(寄稿・NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)理事 亀倉弘美)
亀倉弘美(かめくら・ひろみ)
NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)理事。
学生時代から同会の活動に携わり、以来担当してきた化粧品の動物実験反対キャンペーンでは、資生堂の動物実験廃止決定を導いた。法律事務員として弁護士事務所に勤める傍ら、ボランティアで活動に従事する。好きな動物は猫、カラス、カメ、牛。
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