第一次世界大戦の勃発から100年を迎える今年、世界大戦を取り上げたドキュメンタリー「ザ・ワールド・ウォーズ~権力者が生きた世界大戦~」が有料放送のヒストリーチャンネルから発表された。歴史学者のスティーブン・ギロンを監督に、12の国と地域による共同制作、3年半の歳月をかけて編集した作品だ。東条英機やマッカーサー、ヒトラーといった主要な権力者らが、戦争に向かった変貌の過程を描いている。(オルタナS編集部員=佐藤 理来)
本作は、再現ドラマと専門家やキーパーソンからのコメントを交えて編集されたドキュメンタリー番組。各話1時間の全6話構成だ。本作では、第一次・第二次と分けて捉えられがちな世界大戦を、一続きの戦争として描く。
注目は、権力者たちを変貌させた出来事だ。たとえば、ムッソリーニはジャーナリストであったし、ヒトラーも貧しくも画家を目指していたはずだった。第一次世界大戦で運命を変えられた彼らが、第二次世界大戦では権力者へと変貌していったのだ。非日常のように思える「戦争」は些細なきっかけが集まって起こっていたのかもしれない。そう思い起こさせる番組だ。
先行公開されたアメリカではすでに340万人が視聴し、テレビ番組のアカデミー賞であるエミー賞にドキュメンタリー部門作品賞としてノミネートされている。日本では、8月15日21:00~有料放送のヒストリーチャンネルで一挙放送が決まっている。