2010年、エル・パコン村で作られたコーヒーが、ホンジュラス国内で世界最高級の品質認定カップオブエクセレンスに輝いた。受賞したコーヒーは国際インターネットオークションにかけられ、例年高値で取引きされている。

ホンジュラスでは約110,000戸の農家がコーヒー栽培に従事しているが、同年に受賞したのはわずか25農家のみだった。単に立地・環境的好条件が整っているだけで受賞できるようなものではなく、生産者たちの並々ならぬ努力があったことは想像に難くない。

このコーヒーは村人がもともと自分たちが飲むために作っていたもので、驚くことに受賞当時はコマル(伝統的な素焼きの皿、フライパンのようなもの)でコーヒーを焙煎していたという。1日に焙煎できる量はわずか3000gで、高品質ながらも生産量が圧倒的に不足していた。現金収入を得る手段はほとんどなく、政府からの補助金がないと生計が成り立たない村人が数多くいた。

そうした現状を打破したいというコーヒー生産者33人が集まってグループを形成し、地域小企業支援プログラムからの融資が決定した。融資計画には、工場の建設をはじめ、経営や会計などの研修が含まれており、協働してコーヒーの販売促進を図る。

「村人たちにこれまで足りなかったのは、知識ときっかけ。特に、自分たちの作っているコーヒーの価値に全く気付いていませんでした。『これはダイヤの原石なんだよ』と、私は村の人たちに伝えてきました。確かに融資は一つのきっかけではありましたが、それも生産者の意志があってのもの。私たちが変化を与えたのではなく、試行錯誤する中で彼らが学び、成長していったんです」(アレハンドロさん)

受賞当時、焙煎に使用していたコマル

エル・パコン村に起こった革命

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