ホンジュラスは、中南米・カリブの中でもハイチ・ニカラグアに次ぐ貧困国であり、都市部と地方の所得格差も大きい。地方産業の発展とそのために必要な人材育成などを中心に支援を行い、地方経済を活性化させることは、深刻な貧困問題を緩和する上での喫緊の課題とされている。
農村地域の収入を向上させるためには、村人の多くが従事している農牧生産品の改良(生産量や品質面)を行いつつ、消費市場への効果的なアクセスを図ることが不可欠だ。地域小企業支援プログラムでは、農村地域の小規模生産組合への融資・コンサルティングを行い、より効果的な事業の実施を促進している。
参加型開発を基本としており、村人との協働によって活動は展開される。ボランティアである川人さんの仕事の大部分は、村の会合などに参加し、村人たちの話を聞くこと。そこからビジネスの種が生まれるのだという。
「私たちに村人の意識を変えようという考えはありません。もちろんアドバイスはしていきますが、このプログラムは村人たちの起業意識を基本としています。すべての出発点は、『こういうことがしたい』という彼らの意志なんです。貧困から抜け出すのに大切なことは、収入の手段を得ること。私たちがいなくなったとしても、彼らが自立できるようにしていくことが必要なんです」(川人さん)
■はじまりは小さな一歩から