デパートのイベントなどで、お客様がこの「フラワーバッグ」を見ての第一声は 「カワイイー」 です。お花のモチーフがたくさん付いていて華やかなので、確かに若い女性が好むデザインなのかもしれません。若い女性を意識してデザインしたわけではありませんが、まずはバッグに興味を示してくださり、フェアトレードの生産過程などを知ってもらえるきっかけになればと思っています。
寄付やボランティアには腰が引ける人でも、ショッピングでおしゃれな可愛いものを買うという形であれば、気負わずに小さな社会貢献に参加しやすくなると思うのです。
これらのラフィアバッグはフェアトレードの指針に基づいてフィリピンの女性たちが一針一針心をこめて編んでいるので、生産の過程において不当な低賃金労働や児童労働はもちろん存在していません。編み子さんたちは、スルシィのアトリエに集まり、編み方の分からない箇所を教えあったりアイロンをかけたりと、地域のコミュニティーの役割も担っていると思っています。
バッグを編んでいるラフィアは椰子の葉の繊維のことですが、たくさん自生しているボホール島から買い付けています。化学染料で染色はせず、天然素材の持つやさしいイメージのナチュラルカラーを大切にし、環境にも配慮しています。地球にやさしいラフィアは、軽くて耐久性・柔軟性にも富み、通気性が良いのも魅力となっています。
バッグを作る過程で出るラフィアの端糸を捨てずに取って置き、この花のような小さなモチーフを編む時に使用し、極力廃棄物を出さないように努めています。
スルシィのラフィアバッグを買われたお客様がそのバッグを介してフィリピンの女性たちとつながり、みんなが温かい気持ちになれるのがエシカル商品の魅力だと思います。あえて「エシカル商品」と言わなくても、道を外さず当たり前のことを当たり前にしていれば、それが「エシカル」に通じるものだとも思っています。(寄稿・スルシィ代表 関谷里美)
スルシィ公式サイト http://www.sulci.co.jp/
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