毎号、異なる社会問題をテーマにエシカルなファッション誌としてクラウドファンディングに挑戦してきた『Emagazine(イーマガジン)』。過去2回とも、20万円の目標金額を集めることに成功したが、3回目となる今回は目標金額を60万円に大幅に上げた。過去の金額より3倍高く設定した同プロジェクトが「エシカル」の認知度やポテンシャルを測る一つの指標となる。(オルタナS副編集長=池田真隆)
■極端な2言論から発展
『Emagazine(イーマガジン)』の刊行資金調達プロジェクトが23日、開始した。今号の社会問題は、「動物」である。ファッションと動物の関係性を考えるとき、どうすれば「共生」できるのかについて取材する。クラウドファンディングサイト「GREEN GIRL(グリーンガール)」を通じて9 月9日までに金額を募集する。
同雑誌を発行するETHICAL FASHION JAPAN(エシカル・ファッション・ジャパン)の竹村伊央代表は「動物素材を全く使用しない道を探るのか、全体的な環境負荷、動物福祉を考えながらトレーサビリティを確保していくのか。今回はさまざまな意見を踏まえながら、極端な2言論ではなく、包括的にまとめあげて、ファッションがどう『共生』に貢献できるのかを考えたいと思います」と、意気込みを語る。
今回、制作費の余剰分は環境保全団体WWFジャパンに寄付する。「クラウドファンディングを通じて資金を提供してくださった方と、一緒にアクションできる方法はないかと考えた1つの道として、今回の寄付に至りました。さまざまな意見や考えがある中で、『まずは行動してみる』という『第1歩』につながるものになればと思っています」と竹村代表は説明する。
同団体は、今年3月に団体設立1周年を記念したファッションイベントを開催し、12種類のエシカルファッションブランドが出展し、20代から30代の男女200人ほどが集まった。日本最大規模の展示会である「ルームス」でも、今年からエシカルファッション専用エリアが設けられる。エシカルの波はどこまで届いているのだろうか。