その印刷会社は、官公庁の仕事を主に請け負っていたが、市町村合併の影響を受けて仕事が減り、経営難の状態にあった。しかし、実際に会社を視察し、社員と話しをしてみると、職人たちが真面目で、丁寧な仕事をしていた姿に感銘を受けたという。

そこで職人たちに「ここだけは他に絶対負けないところは?」と質問をした。すると、「依頼のあったものはどんな難しい印刷物でも作る」という答えが返ってきた。齊藤代表は、「この答えに、日本の職人の魂を感じた」と話す。そこで、インターネットを活用し、日本中からオンデマンド印刷を請け負えるような仕組みを提案した。

この案が功を奏し、受注が入るようになり、6カ月で単月黒字を達成。経営難だった会社は、数年経った今では官公庁からの大きな仕事を請け負うまでに成長している。印刷会社からは大変感謝されたという。

この体験が齊藤代表の働く価値観を変えた。「これまではクライアントのためや、利益を最大化するために使っていた自分のITスキルで、これほどまでに社会に貢献できるのかと思った」と話す。地域で雇用を生み出し、地域経済を活性化させることにやりがいを覚えたのだ。

■誰でも観光大使になれる

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