「東京では相対評価しないと価値が見出せなかった」。宮崎県を拠点にITでの地域活性化を行うNPOまちづくりGIFTの齊藤潤一代表はそう話す。「東京で流れる膨大な量の情報は、ほとんど何かと比べて価値を出している。そのような情報に囲まれていると、人と比べることを無意識に行ってしまい、自分自身の本心に気付きづらい」。

齊藤代表はこれまで、経済至上主義の世界を生きてきた一人だ。アメリカシリコンバレーのITベンチャーに勤め、帰国後、東京でITベンチャーを起業した。大企業のホームページ構築や官公庁などをクライアントに持つまでに成長した。利益の最大化のために働いてきた彼の価値観を変えたのは、同団体を立ち上げる前にかかわった秋田県の印刷会社再建プロジェクトだ。(オルタナS副編集長=池田真隆)

齊藤潤一代表

1 2 3 4