東日本大震災以降、「エシカル消費」への意識が高まってきました。エシカル消費とは、環境や社会、人に配慮した消費活動のことです。

物を購入することを自粛する風潮がある中で、誰かのためになる買い物をし始めました。

社会の発展につながるエシカル市場を拡大するためには、エシカル消費の高まりは不可欠です。
そこで、これからエシカル消費を高めていくためには何が必要なのか、この研究所で明らかにしていこうと思います。

第4回目の今回は、「かっこいいおしゃれ」というテーマで7人のエシカル識者に寄稿してもらいました。

時代に応じて「かっこいい」の概念は変化しています。拡大がよしとされていた高度経済成長期(今の50代~)の方が20代の頃に感じた「かっこいい」は、「上昇思考」、「なりあがり」、「一匹狼」でした。

しかし、今の20代が感じる「かっこいい」は、「誠実」、「優しさ」、「仲間思い」です。子どもの頃 に見たアニメも、「明日のジョー」「巨人の星」のように、アウトローの主人公が一人で逆境に立ち向かっていくものから、「ワンピース」、「ポケッ トモンスター」のように、一人ではなく、仲間で世界を変えていくものに変わりました。

時代に応じて、「かっこいい」がエシカルや社会貢献、ボラン ティアの概念に近づいてきているのです。そこで、エシカル識者から、「かっこいい」とは何かを聞き、時代の流れを読んでいければと思います。


*エシカル消費研究ラボvol.1(エシカルビジネスのメリットとデメリット)はこちらから⇒http://alternas.jp/work/ethical_work/38050
*エシカル消費研究ラボvol.2(エシカルで物は売れるのか)はこちらから⇒http://alternas.jp/work/ethical_work/39147
*エシカル消費研究ラボvol.3(エシカル商品の裏側)はこちらから⇒http://alternas.jp/work/ethical_work/40788



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かっこいいおしゃれのススメ――INHEELS 大山多恵子

青春時代に「こんな大人になりたい」と思えるロールモデルが周りにいる事ほど幸運な事はない。そして、自分の描く大人像そしてこれから自分たちが担っていくよりよい世界を夢見る事ができるほど幸運な事もない。 

世界の人口の半分以上が一日僅か$2.5以下で日々を乗り越えるのが精一杯の生活をする中、先進国にはそれなりの問題や悩みがあるものの、基本的な生活は守られ基礎教育が行き届いている。私たちには社会・世界を見つめる余裕がある事には間違いないはず。

そんな「余裕」のある社会に生きる私たちにとって「かっこいい大人」とは日常にあふれる選択肢の中でそれぞれの良し悪しを吟味し、思想をもち、行動に責任を持つ事ではないか?

私が思う一番かっこいいおしゃれ――Change.org ハリス鈴木絵美

初めまして。Change.org日本代表ハリス鈴木絵美です。去年Change.orgを立ちあげてから、有難いことに様々なイベントに呼ばれたり、インタビューを受けたりしてきましたが、社会活動関連のものが多く、今回始めておしゃれについて書きます。なんだかすごく新鮮です(笑) テーマは、「かっこいい」おしゃれとは。

背景の美しさを目指して――R ethical jewelry 星まり

かっこいいお洒落とは、外見的なことだけでなく、身に付けるものの背景を想像し、そこに共感し、ライフスタイル全体で表現していくことだと私は考えています。 日常に溢れるきっかけから、想いを馳せていけたら素敵な事だと思います。

地球が暖かくなって豪雨が続いている。四季折々の美しい日本はどうなるのだろう。洋服に使われるコットンは、どこで生産されて、誰が作っているのだろうか。バックはどこの工場で作られたものか。なぜその価格を実現できるのか。もし搾取される人がいたらどんな思いで毎日を生きるのだろう。

日々を楽しむ「かっこいい大人」になるために――FAM 藤永真理子

「流行りで見せるオシャレ=どこにでもあるオシャレ=大量に生産されたオシャレ」
「かっこいいオシャレ=自分を知っている事=自分だけのオシャレ」

自分にとって何が必要で何が必要でないのか理解している事はカッコイイ!に欠かせない重要なポイントだと思います。理解している人は、芯が一本しっかり通っているから何を着ても、何をしていてもオシャレに見えます。

年間10キロの洋服を買い、9キロをゴミとして捨てている日本人――日本財団 山崎美加

私たちの周りは情報やモノに溢れています。グローバル化がすすみ、世界中の商品がインターネットを使えばいつでも、どこででも購入することができるようになりました。

企業は次々とトレンドを生み出し、雑誌などメディアはそれを煽るように人々の意識の中に新しいトレンドを意識させていきます。そのサイクルはあまりにめまぐるしく、流行ったと思えばその半年後にはもう過去のモノとなってしまいます。

「かっこいいおしゃれ」の変化――スルシィ 関谷里美

今回「かっこいいおしゃれとは」の寄稿依頼を受け、ファッションやおしゃれは個人の嗜好がまず最初にありきなので、正直難しいなと。

私が学生の頃は(美大生だったこともあり)、いかに個性的になおかつお金をかけないで人と違うものを着るか、ファッションで自分を表現していた面があり、そうすることがカッコイイことだと思っていました。

あなたが大切にしていることは何ですか?――カチートファニチャー 綿貫カンナ

その人の生き方、こだわり、つまり「何を大切にしているか」が表れていることが、かっこいいおしゃれだと私は思います。それは、見た目の好みはもちろん、どういった背景で作られているかという、ストーリーも含んだこだわりを持ち、選ぶということです。そうやって本当に好きなモノを選び、長く愛用することは、かっこいいおしゃれの一つではないでしょうか。