――時代に応じて「かっこいい」の概念は変化しています。拡大がよしとされていた高度経済成長期(今の50代~)の方が20代の頃に感じた「かっこいい」は、「上昇思考」、「なりあがり」、「一匹狼」でした。しかし、今の20代が感じる「かっこいい」は、「誠実」、「優しさ」、「仲間思い」です。子どもの頃 に見たアニメも、「明日のジョー」「巨人の星」のように、アウトローの主人公が一人で逆境に立ち向かっていくものから、「ワンピース」、「ポケッ トモンスター」のように、一人ではなく、仲間で世界を変えていくものに変わりました。時代に応じて、「かっこいい」がエシカルや社会貢献、ボラン ティアの概念に近づいてきている気がします。竹村さんが考える「かっこいいおしゃれ」とはどのようなものでしょうか。

竹村:ありのままの自分でいる人ですね。何かをフォローしているよりも、自分で考えて自分で動ける人です。すごい変な服を着ていても、自信を持って説明されればかっこよく見えてくるものですよ。

――EFJは「ファッションで世界は救えない」というメッセージを掲げています。この言葉の背景にはどのような意味があるのでしょうか。

竹村:このメッセージへの認識は一人ひとり異なります。救えると考える人もいるし、救えないと思う人もいます。大事なことは、今何ができるかを考えることです。この言葉の目的は、一度立ち止まって考えてもらうことにあります。誰かに言われるままに動くのではなく、一度立ち止まって考えることがエシカルの原点です。

――今回の「Emagazine」で伝えたいことは何でしょうか。

竹村:動物を完全に保護するか共生しながら使用するかの単純な二項対立ではなく、両派が今まで気付かなかった視点に気付くきっかけを与えたいです。そして、エシカルを軸にしたネットワークを構築したいです。

Emagazineでは、絶対的な解答を言うつもりはないです。読者が自分で考えるようになってくれたらうれしいです。


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