――第三冊目となる、「Emagazine」のテーマは、「動物とファッション」です。
竹村:動物とファッションの関係は、昔から関心がありました。例えば、ファーはかわいいから着たいという意見もありますが、そのことで動物が犠牲になるのはいかがなものなのか。一方、フェイクファーを着るのですが、デザインや質が良くなくて、すぐに捨てられてしまうこともあります。
はたまた、自然死した動物を使用しているからエシカルなのかという意見もあります。企業側が動物を使って服を作る論理と、動物愛護派が動物を保護する論理を、包括的にまとめて、二項対立状態から発展した議論を展開していきたいです。
――日本では、「フェアトレード」や「オーガニックコットン」と比べて、「エシカル」の明確な定義がありません。定義がないので、エシカルを扱うことは難しいです。どう感じていますか。
竹村:今の段階では、どういう考え方であれ、見当違いでなければ使ってよいと思っています。しかも、「その考え方間違っているよ!」という意見が活発に飛び交うほうが、エシカルが明確になってくるのではないかと思っています。定義がないから消極的になるよりも、「これがエシカルだ!」と思ったらどんどん発言したほうがいいでしょう。