――このイベントを開催したきっかけを教えてください。

松原:2000年に私が20歳で全国ツアーを初めて行ったとき、神戸出身ということを知った人たちからとても心配していただきました。そこで初めて、自分が震災の被害に遭われた人に何もできていなかったことに気付きました。

神戸の先輩への恩返し、若者に何かを気付くきっかけをつくりたいと思ったきっかけになりました。私が15歳のときに阪神淡路大震災が発生し、神戸に住んでいた私自身も被災しました。しかし、身内に不幸もなく、生活費や家の修繕費のことも両親に任せっきりで自分は何も考えていませんでした。

その罪悪感から今からでも何かしたいと思いました。そこで2005年に神戸市が行う「震災10年 神戸からの発信」事業の募集を知り、それまで考えていたことを企画書にまとめて提出した結果、市の審査に通り第1回のイベント開催に至りました。

――来場者へはどのような思いを伝えたいのでしょうか。

松原:イベントに参加してもらいたいと思い参加料を無料にしています。イベントに来場することで、チャリティーで出演しているアーテイストや会場のボランティアスタッフと場を共有することできます。イベントの隅から隅までを意識して見て、何かを感じてほしいです。ただ、僕がこれを感じてほしいと強制するのではなく、一人一人が自発的に考えてもらえたらと思います。

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